軟酥の法(なんそのほう)
内観の法と並んで重要なのが軟酥の法です。
「臨済宗中興の祖」と称される白隠(はくいん)が著した「夜船閑話(やせんかんな)」のなかで、日常生活と座禅の調和に悩み病になったとき、仙人から授かったという瞑想法として紹介しているので、一部抜粋して解説します。
「たとえば、色も香りも清らかで軟らかな、そして滋養たっぷりの酥の鴨卵(おうらん)大のものを、頭上にしかと置くと仮定する。その気味は微妙で、それが円い頭蓋骨を通して脳をうるおし、それが次第に浸々(しんじん)して水が浸すがごとく下へ降りてきて、両肩および両腕に及び、さらには左右の乳から胸中の心臓および肺、そして腹腔内の胃、腸、肝、腎、脾、さらには背骨、尾骨までも次第にうるおしてゆく。このときに実は五臓六腑の血液の滞りや疝あ(せんあ)、塊痛などが心に随って降りてゆくこと、水が低きにつくがごとくに消えていくことがはっきりとわかる。
かくして、軟酥のとけたものが全身をめぐり流れ、さらに両脚まで暖かにうるおしながら、最後に足心でとどまる。」
軟酥:軟らかな酥。酥とは牛乳の凝固した栄養豊富なもののこと。
『白隠の丹田呼吸法』より 村木弘昌・著 春秋社
内観の法と軟酥の法を実行することでほとんどの病気が治ってしまうとまで白隠禅師は「夜船閑話」の中で説いています。
心癒功もこの内観の法と軟酥の法を重視しています。
昔から伝わっている健康法はすばらしいものがあります。
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